おはようございます!海に近い湘南藤沢辻堂で「ハーブとアロマのマニア」と自他ともに認める「kumincure」かくもとくみです。大地に根付く植物を育て活用してます。
ヘリオトロープという植物をご存じですか?春に苗が出回ります。
フランスで1892年に発売されたロジェ・ガレの「Heliotrope Blanc(白のヘリオトロープ)」は、爆発的な人気を誇り、日本に輸入されて初めて市販された香水といわれています。香水「ヘリオトロープ」は元々は1806年にパリのサントノーレ通りにあったジャン=マリー・ファリナの店で売られていた「ジャン・マリー・ファリーナ・オー・デ・コロン」というコロンで、焼き立てのお菓子のようなバニラの香りでナポレオンも愛したといわれました。
夏目漱石の小説『三四郎』(1908年 明治41年)や、江戸川乱歩の『暗黒星』(1939年 昭和14年)にも、ヘリオトロープの香水が登場します。
強い芳香を放つヘリオトロープの花は、ドライフラワーやポプリ、サシェにも利用されています。
学名:Heliotropium arborescense
別名:木立瑠璃草(キダチルリソウ) 匂ひ紫(ニオイムラサキ)
香水草(コウスイソウ)
英名:Heliotrope Cherry pie
科名:ムラサキ科・キダチルリソウ属
分類:
原産地:ペルー
形態:多年草 日本では1年草
耐寒性:弱
耐暑性:弱
耐湿性:弱
大きさ:背丈20~50cm
花の色:紫、白
香り:バニラのような甘い香り
成分:ヘリオトロピン、バニリン
主な見所:花(5~10月)
主な特徴:茎の先端に紫や白い星形をした3~5mmほどの小さな花がドーム状に密集して咲きます。葉は葉脈がくっきりとしており、表面に細かなヒダが入ります。
誕生花:1月27日、5月24日
花言葉:『devotion献身的な愛』『献身』『永遠の愛』『愛よ永遠なれ』『夢中』『熱望』『誠実』
利用方法:バニラのような甘い香りで古くから香水や石けんの香料として利用
属名の学名「Heliotropium(ヘリオトロビウム)」は、ギリシア語の「helios(太陽)」「trope(向く)」が語源で、太陽に向かって花をひらくという意味があります。
私事ではありますが、実母が実父の介護を献身的に全力でしている姿をみて、ヘリオトロープのようだなと感じました。90歳の父が先日転んでしまいトイレに行くのもよたよたで。。。ベットから起き上がるのも一人では厳しくて。。。母の愛は偉大です。そんな母も86歳。私は可能な限り母の心のサポートをしようと思いました。
ヘリオトロープの花言葉は、ギリシャ神話に登場する水の精クリティと太陽神アポロン、そしてアポロンが恋したレウトコエの三角関係のエピソードに由来します。
クリティは、太陽神アポロンに好意を寄せていましたが、アポロンはレウトコエと恋仲にありました。この事実を知ったクリティが、レウトコエの父王に密告(あることないこと含めて悪口言ってしまった)した結果、レウトコエは生き埋めにされてしまいます。天空を駆けていたアポローンがすぐに気付いて駆けつけ穴からレウコトエを救出しましたがもはや彼女には生気はありませんでした。
そして、レウコトエが亡くなった後もアポローンはクリュティエの元には戻りませんでした。クリュティエは失恋の痛みにやせ細り、9日の間、姉妹の顔を見るのもいやで、食事もとらず、化粧もせず、地面に座っていました。ただただ、朝から晩まで大空をゆく太陽神に自分の顔を向けているだけです。そして、いつのまにか大地に根を生やし、花になってしまいました。
この花が「ヘリオトロープ」説と「ひまわり」説があります。
どちらも太陽をみていますからね(笑)
夏目漱石の小説『三四郎』(1908年明治41年)はご存じですか?
『三四郎』は、田舎から帝国大学に進学した主人公三四郎を中心とした青春小説。その中で三四郎が出会ったのは、美禰子という都会的な自由な雰囲気の女性。今まで触れたことのなかった洗練された女性に翻弄される三四郎が描かれています。
三四郎と美禰子が池のほとりで運命的な出会いをする場所は、現在の東京大学に『三四郎池』として残されています。
「蒼白い額の後ろに、自然のままに垂れた濃い髪が、肩まで見える。それへ東窓を洩れる朝日の光が、後ろから射すので、髪と日光の触れあう境の所が菫(すみれ)色に燃えて、活きたつきかさを背負ってる。それでいて、顔も額も甚だ暗い。暗くて蒼白い。その中に遠い心持のする眼がある。高い雲が空の奥にいて容易に動かない。けれども動かずにもいられない。ただ崩(なだ)れるように動く。・・」
ある日町でばったり出逢った美禰子は、店で三四郎にこの香水「ヘリオトロープ」を選んでもらう。
物語の最後、三四郎との別れをほのめかせるシーンで、この香りが再び効果的に使われます。
「手帛(ハンケチ)が三四郎の顔の前にきた。鋭い香がぷんとする。『ヘリオトロープ』と女が静かに云った。三四郎は思わず顔を後へ引いた。ヘリオトロープの壜。四丁目の夕暮。迷羊(ストレイシープ)迷羊(ストレイシープ)。空には高い日が明かに懸る。」
結婚する美禰子が三四郎に別れを伝え、三四郎の心がヘリオトロープで表現されているところが面白いのです。
現在の香水には合成された香りが調合されているそうです。
昭和39年、東京オリンピックがあった年に、資生堂から〈禅〉という名前の香水が発売されました。
フローラル・フローラルのノートで、さわやかさと甘さは、やや控えめ。セクシーさが強くなっています。
ボトルは黒地で、秋の草花が金色で描かれています。現代風の蒔絵というデザインです。
日本的な優雅と幻想を体現した香水。資生堂の渾身の作です。
現在では、ZENとして、資生堂の大きなブランドになっています。
花が枯れかかったら即座に剪定してください。花芽がついていると株が弱ります。じめじめの梅雨の湿気も厳しい暑さもヘリオトロープには酷です。
ばっさり切り戻してあげることで株を元気にさせましょう。
かぐわしい花の香りは育てている方にしかわかりません。
私は地面をはいつくばって香ってます(笑)
久美(kumi)の癒し(cure)という意味を込めてクミンキュアと名付けました。地元湘南藤沢・辻堂でアロマとハーブの講師として2015年から活動しています。月に1度の開催で初年度85名のご参加者が3年後は講座回数も増えご参加者750名。2021年でのべ3000名以上の方にお伝えしています。(イベント除く)
サロンの目の前に開放している畑にはあらゆるハーブを栽培しています。講座にご参加の際はぜひ畑の様子もみてください。1か月もすれば植物の成長はガラリとかわり季節の移り変わりを感じることができます。
神奈川県藤沢市辻堂太平台2-5-1-105
駐車場2台完備 / 駐輪場あり
ゆったり6人掛けのテーブルと椅子。
ドライハーブ(常時70種類はある)の量り売りもしています。
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